右図では、下段の前後の矢印の大きさがリスクに相当します。
矢印が小さいほど、バスはほぼ時刻表通りに運行されており、リスクが小さい状態です。
逆に矢印が大きいバスほど、バス停への到着が早すぎたり遅れたりするため、リスクが大きい状態といえます。
投資の場合、時刻表の代わりに過去の値動きの平均を使ってリスクを計算します。この値を「標準偏差」と呼びます。
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”リスク”のイメージを掴む
どんな趣味や習い事でも、上達するためにはコツを覚える必要があります。そして、一見難しそうな事柄でも、一度経験して内容を理解すれば、次回は簡単に感じられるものです。
投資におけるそうした事柄の代表例ともいえる「リスク」について、イメージで理解していただければと思います。
1.リスクとは何か
一般にリスクとは「危険」「危ない」という意味で使われますが、投資におけるリスクは少し異なります。
投資におけるリスクを、バスの運行状況に例えて説明します。
バスは通常、時刻表通りに運行されますが、時間帯や道路状況・地域によっては、時刻表より早く到着することや、遅延することもあります。
リスクとは、「時刻表からの時間のずれ」を数値化したものです。
2.投資でリスクを活用するメリット
投資のように不確実な将来を相手にする場合、このリスクには次のようなメリットがあります。
【1】運用商品を選択できる
先ほどのバスの例で説明すると、時刻表通りに運行されるバスほど予定を立てやすく、安心して利用できます。
逆に、時刻表通りに運行されないバスでは、時間が読めない不安と期待からドキドキするでしょう。
これと同じように、運用商品のリスクに着目すれば、自分が安心してその商品に投資できるかを判断できます。
【2】期待リターンを推測できる
時刻表通りに運行されるバスを利用する場合、到着が遅れることはありませんが、到着が早まることもありません。逆に、時刻表通りに運行されないバスを利用する場合、予定に遅刻して焦る可能性はある一方で、予定より到着が早まって現地で休憩できる可能性もあります。
つまり、遅刻という嬉しくない可能性を受け入れる見返りに、予定より早く到着するという嬉しい可能性が生じます。
投資も同様で、リスクを受け入れる見返りとして、そのリスクの大きさに応じたリターンが期待できます。
【3】資産配分を検討できる
例えば、当初予定に遅れてバスに乗り込んだ人がいるとします。時刻表通りに運行しているバスにこのまま乗り続ければ、確実に遅刻します。しかし、時刻表通りに運行されていない別路線のバスに乗り換えれば、遅刻時間を短縮できる可能性があります。さらに乗り換えのタイミングがうまく合えば、当初の予定通りに到着できる可能性もあります。この場合、バスの乗り換えを検討する人も少なくないのではないでしょうか。
つまり、運行状況の異なるバスをうまく組み合わせることで、時刻表からの時間のずれを、その人の希望に応じた水準に調整できるのです。投資も同様で、値動きの異なる複数の資産に投資することで、資産全体のリスク水準を自分に合うように調整したり、単一資産への投資と比べてリスクを抑制したりすることが期待できます。
運用会社で運用者として働いていた経験を活かし、投資教育関連に従事しています。
個人の資産形成としては、持ち株会を活用して約30年にわたり長期・積立投資を行いました。
長期・積立に加えて分散投資もできるDC加入者の皆さんは、とても恵まれていると思います!